hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

笑顔

ご来訪いただき、有難うございます!


先日透析中に、最近入った看護師さん
がわたしのベッドサイドに来て、


「高校生くらいの女性がいらっしゃっ
て、娘さんだと言ってるそうなんです
が、心当たりはありますか?」


と訊くので、


「あ、はい。娘は高校生ですけど…、
もしかして、鍵?」


と訊くと、


「ええ、鍵を持って出るのを忘れて家
に入れないそうなんです。どうしまし
ょうか?」


と言うので、


「あ、それじゃあお手数ですが、ここ
にまず連れて来てもらえますか?」


とお願いしました。エレベーターから
神妙な面持ちで降りて来た娘を見たら
無性におかしくなって、笑ってしまい
ました。娘も笑い出したので、看護師
さんにお願いして、わたしのロッカー
の鍵を渡して、娘を連れて行っていた
だき、家の鍵を渡してもらいました。


近くのベッドで透析治療中の女性が、


「ずいぶん大きなお子さんですけど、
今のお嬢さんは高校生?」


と訊くので、わたしは、


「はい、高校生です。下の子ですけど」


と答えました。ちなみに身長的には大
きくないので、年齢が大きいという意
味だと思いました。


その女性は、


「下の子?じゃあ、上のお子さんは?」


と訊くので、


「一浪して、大学2年です」


と答えると、


「え?じゃあ、あなたは今、いくつな
の?」


と訊かれたので、


「56です」


とありのまま答えました。


その女性と、その周辺の何人かの女性
から、ザワザワと


「うそ?40代半ばかと思ってた」


という声が聞こえて来ました。


そう思われていたんだろうと納得でき
るコトを以前から何度か言われたコト
があります。


「そんなにお若いうちから透析じゃあ
大変ねえ」


とか、


「お子さん達もまだまだ学校なんかで
大変な時期でしょうに…」


とか、ずいぶん若く間違われているの
かも知れないとは思っていましたが、
まさか10才も若く見られているとは知
りませんでした。わたしは、


「ありがとうございます。わたしは若
い頃はとても老けて見られていたので
若く間違われた経験がありません。結
婚式の主賓に挨拶してもらった時、そ
の時点で29才だったのに『初めてお会
いした頃、わたしと同年輩かと思って
いたんですが、話をするとどうも若い
なあ…と思って、年を訊いたらなんと
わたしの半分くらいしかない(笑)。
いやー、驚きました』って言われたコ
トもあるくらいです」


と言いました。その女性は、


「じゃあ、その頃から年を取ってない
のよ。若い頃に老けて見られる人は年
を取ってから若く見られるって言うも
の」


と言って、持ち上げてくれました。70
代の女性から見ると、わたしもまだま
だ小僧っ子なんだなぁ…と言うと、


「あらやだ!70代だなんて、私たち、
80代よ!」


と喜ばれてしまいました。逆に彼女達
は本当に若いです。


違うベッドの女性から、


「鍵を忘れたお嬢さんを見て、あなた
は笑い出したでしょう?あなたの顔は
寝ているからわからないけど、お嬢さ
んを見てたら笑い出したから、あなた
が笑ったんだってわかった。きっと楽
しい家族なのね。私だったらまず最初
に『なんでちゃんと鍵を持ったか確認
して出ないの!』って叱言から入るわ
ね。一番失敗した!と思ってるのは、
お嬢さんなのに、追い討ちを掛けるよ
うなコトをついつい言っちゃうのよね。
そういう時に、笑って鍵を貸してあげ
られるって、とても素敵だと思った。
今日の帰りに私にも笑顔を見せてね」


という声が掛かりました。


「ええ、いくらでも。スマイルは0円
ですから」


と言うと、いつも面白い年配の男性か
ら、


「あれ?hittyさんてば、マックの回し
者かい?」


という声が聞こえて、いろんな所から
笑い声が聞こえて来ました。


今日は娘が鍵を忘れたおかげで、透析
中にちょっと楽しい気分になれたなあ
…と思って、透析が終わってから家族
LINEを見ると、娘が、


「家の鍵家に忘れて入れないんだけど
どうすればいい?」


「鍵開け屋呼ぶか、ダイソー行って材
料買ってピッキングするか子供部屋と
かの方の窓割るかの3択しかない気す
るんだけど…」


「とりま今色んな鍵開け屋に電話して
最安値調べて入る」


等と物騒なコトを言っています。それ
を見た息子(現在関西方面の大学に通
っています)が、


「ちょいちょい待て笑
いきなりなんでそんな危険な選択肢し
かないねん笑」


と相手をしてくれていて、わたしの透
析のクリニックへ誘導してくれていま
す。それでも娘は、透析乗り込む勇気
がない、とか、とりま手持ちの道具で
ピッキングには失敗した、とか、どん
どん物騒さを増して行きます。ガラス
を割るか、鍵開け屋を呼ぶか、の二択
になった頃、鍵開け屋を呼ぶ最安値で
も八千円くらいはかかるので、窓を壊
す一択だと娘が言い出した頃、息子が
わたしのクリニックの名前を思い出し
たり、ガラスを割ったらその後ガラス
が入るまで寒い日が続くぞ、と なだめ
たり、すかしたりして、何とかクリニ
ックへ向かわせたのが判る44回にも及
ぶLINEのやり取りが残っていました。


わたしも透析中は、スマホをサイレン
トモードにしているのでリアルタイム
では気付いてあげるコトが出来ません
でしたが、関西に居る息子が気付いて
一所懸命に説得してくれたおかげで、
今も寒い思いをせずに暮らしていられ
ます。存在しているだけで、家族って
ありがたいものだと思います。


娘にしてみれば、テスト期間中なので
早く明日の科目を持ってバイト先で勉
強しようと思っていたら、鍵がなくて
入れない。今日もテストだったので、
明日の科目は全く持っていない。きっ
と、かなり焦っていたのでしょう。


そういう精神状態の娘の神妙な顔を見
て思わず吹き出してしまって、きっと
娘は気が楽になったと思います。自分
から


「家に入ったらまた鍵を持って来るね」


と言ったくらいですから。


家族LINEを見て、「北風と太陽」を思
い出しました。強風は相手を更に警戒
させますが、温かさを感じると相手に
対して素直になれます。


緊張してる時には、「笑顔」が一番か
も知れません。緊張してない時も…、
やっぱり「笑顔」が一番ですね(^o^)v。