ご来訪いただき、有難うございます！

この間、同じクルマに乗っているドラ
イバーさんから、こんなコトを言われ
ました。

「他の物流のドライバー達から、アン
タの横乗りさんはとても丁寧な挨拶を
する人だね、って言われたんっすよ。
みんな、あの人からは『おざっす』も
『あざっす』も『おっす』も聞いたコ
トがない、いつも、『おはようござい
ます』、『ありがとうございます』、
『お疲れさまです』って省略しない挨
拶をされるから、あの人と顔を合わせ
た時は、なんだかフルに挨拶を返しち
ゃう時があるんだよね。それにあの人
には、子供達が敬語で返事してるのを
よく見かけるんだ、ってね。それは、
俺も不思議に感じてたコトだったから、
ちょっと話が盛り上がっちゃいました
よ」

この「横乗りさん」って、わたしのコ
トです。わたしは、挨拶を省略するの
が、どうも苦手です。中学～高校時代
わたしは野球部でしたが、試合を始め
る時にはホームを挟んで両チームが整
列して、

「しゃーす！しゃーす！」

と言います。これは「お願いします」
を、相手チームと審判の方の両方に言
うので、こう言うんだ、と先輩に教わ
りました。そして、試合が終わる時も
両チームが整列して、

「した！した！」

と言います。これは「ありがとうござ
いました」をやはり相手チームと審判
に言うので、こうなります。帽子をと
ってお辞儀をする１拍のうちに、その
時、向き合っている相手への挨拶を終
わらせるように、こういう省略をする
んだと習いましたが、どうもこの挨拶
の仕方がしっくり来なくて、理由を考
えたら、こっちから言う一方の挨拶だ
からだ、と気付きました。返事を全く
想定していない挨拶で、同時に言うか
らお互いに挨拶したコトになる、とい
う結果主義の挨拶なんだなあ…と思い
至りました。

挨拶とは、本来、相手を認識しました
という意志表示なので、相手からの返
事を想定して言うモノです。ただし、
人間の知恵で、相手からの返事がなく
てもおかしくないような形に出来てい
ます。

野球はチームスポーツなので、挨拶の
言葉をフルに言うと、バラバラな印象
になってしまいます。何度か「ちゃん
と言おうよ」と言ってみましたが、省
略形がチームとしての挨拶でした。こ
れは変えるコトは出来ませんでした。

チームスポーツを離れてからは、挨拶
は返事を返しやすいようにするクセが
つきました。

先ほどの話に出て来た「子供達が敬語
で返事する」というのは、言われてみ
て気付きましたが、普段は当たり前の
やり取りをしているとしか思っていま
せんでした。

簡単に言うと、わたしが敬語で話しか
けるので、相手の子も敬語で返してく
れる、というだけのコトだと思います。

例をあげると、エレベーターにお子さ
んが乗って来たとします。わたしは、

「何階ですか？」

と訊きます。相手の子は、例えば

「３階です」

と答えます。わたしはその階のボタン
を押しながら、

「３階ですね？」

と返事して、その階に着いたら「開」
のボタンを押すと、たいていの子は、

「ありがとうございます」

と言って降りて行きます。わたしは

「いいえ」

と返事します。こんな感じですが、こ
れを「敬語の返事」と言っているらし
いんです。

では、ドライバーさんや他社さん達は
どんな感じか？と言うと、

「何階？」

だけか、相手の子の顔を見るとかなの
で、その子も、

「３階」

というふうに答えるから、敬語で返事
をしてもらえない、と思っていたよう
なのです。だからわたしは、

「わたしが敬語を使うから、その子達
も敬語で返してくれるだけですよ」

と言ったら、ドライバーさんは、

「たぶん、そうなんでしょうね。他社
さんのドライバーと話してそういう結
論になったんですが、俺は最初、自分
は子供達になめられてるのか？、って
思ったんですよ。でも、他社さんから
横乗りさんの挨拶が丁寧だ、と言われ
て、なるほど、お子さんにも敬語で接
してるから、敬語が返って来るんだ！
と気付いて、自分も丁寧な言葉使いを
心がけようと思いました。でもね、丁
寧なつもりでも『何階っすか？』って
訊くと『３階』とか言う返事が返って
来るので、ちゃんと『何階ですか？』
と訊かないとダメなんですね？いや、
結構難しいです」

と言って笑っていました。わたしは、

「お子さんの返事を聞くと、その子の
おとうさんとおかあさんの関係も何と
なくわかるんですよ。大事なコトは、
ちゃんと相談している夫婦で、おかあ
さんがおとうさんに相談するパターン
だと、返事まで少し時間がかかりやす
い、とか、ほとんどタメの関係だと返
事がとても早い、とか…ね」

お子さんの返事の仕方で、どんなふう
な親御さんの関係かがわかる、という
内容については、またいつか、お話し
ますね。結構長くなってしまうと思う
ので…(^o^)Ｖ。

今回は、お子さんというのはその返事
を聞いただけで、こちらを映す鏡のよ
うな反応を示してくれる、というコト
を伝えたくて書きました。もし、お子
さんの反応が、あなたの思ったような
モノではない、と感じる時は、あなた
の接し方をもう一度見直してみると、
実は全然違う一面を見せてくれたりす
るコトもあるというコトに気付いてあ
げてください。

人間関係が難しいと感じる人は、自分
が人によって付き合い方を変えている
ので、結果として自分で人間関係を難
しくしていたりします。誰に対しても
丁寧に接していると、返って来る関係
も丁寧で、優しい関係になって自分が
１番救われたりしますよ。