hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

商品(モノ)の本質

ご来訪いただき、有難うございます!


先日、『コピーライターの視点』とい
うタイトルで書いた記事に出て来る友
達夫妻に出した宿題を二人が提出して
来ました。


旦那は
・好きなCM:『三太郎シリーズ』
        (au)
 理由;毎回、そのストーリー性でつ
 いつい観てしまうから。今度はどん
 な話なんだろう?と興味が湧いてし
 まう。特に鬼ちゃんが出て来るとハ
 ズレがないような気がする。


・嫌いなCM:『赤いきつねと緑のた
        ぬき』(マルちゃん)
 理由;最近の武田鉄矢と濱田岳のシ
 リーズは観なくていいCMだと認識
 している。このCMが流れるとトイ
 レに立ったり、テレビの前から離れ
 てしまう。子供の頃、観ている筈の
 番組は意外と観ていなかったりする
 クセに、CMだけはつい観てしまっ
 た記憶があるが、このCMは逆にテ
 レビの前から離れさせる何かがある
 ような気がする。


奥さんは
・好きなCM:ジャパネットたかたの
 商品を売るためのCM(イメージ的
 な方ではない)社員がやっている方
 理由;なぜ今日その商品を勧めるの
 か?とか、商品の告知で大切なコト
 は何か?というマーケティング的な
 基本を毎回教えられるような気がす
 るから。


・嫌いなCM:イチネングループ
 理由;「イチネンイチネンイチネン
 イチネン、なーんの会社かわかるか
 な?」というだけで何の会社かわか
 らないまま終わってしまうから。同
 様によくわからない「アース ミュ
 ージック&エコロジー」も有名女優
 を使っているが、何をやっているか
 よくわからない。これを書くために
 ネットで調べてみたら、どうやら洋
 服等のファッション通販サイトみた
 いだが、なぜ「ミュージック」が名
 前に付いているのかは謎のままだ。
 よくわからないCMはうさん臭さを
 感じるので嫌い。


二人とも良く書けていると思いました。


これを書くためにかなり真剣にCMを
観たそうです。それに二人で思ったコ
トを言葉にするという作業が想像以上
に楽しかった(^o^)と言ってくれまし
た。


最初のうち、旦那の気になるCMは綺
麗な女優が出ているモノばかりだった
そうです。それを奥さんが指摘したら
急に「もしかすると、ビジュアルが綺
麗な女性が気になってるだけで、CM
自体を観てる訳じゃないのかも…」と
言い出して、真剣に見始めたそうです。


ただ奥さん曰く、「ほとんどは綺麗な
女優さんやモデルさんのCMが多かっ
たんですけど、日産セレナのお母さん
役の女性は以前からじっと見ていたよ
うな気がする。1つ前のCMで雨の中
で踊るシーンは何かしてても手を止め
て見とれてました。きっと浮気する時
はああいう女性だったら気を付けなき
ゃ!って思いました」


旦那はそう指摘されて、「女ってよく
観てるよなあ…。でも、そう言われた
ら、そのCMは確かに魅かれてた気が
するんだよね」と言って、頭を掻いて
いるので、種明かしをしてあげました。


「あのセレナのCMのお母さん役の女
性の奔放な感じは、峰不二子っぽいイ
タズラッ子みたいな感じだからだいた
いの男達はついつい観ちゃうと思うよ。
それに、何か企んでる時の奥さんに少
し似てるような気がするけど、違う?」


それを聞いて旦那は、「やっぱりなん
か雰囲気が似てる所、あるよね?顔も
スタイルもあんなによくはないけど、
雰囲気が…ね?そうだよね。俺から言
ってそんなに綺麗じゃないよって否定
されちゃうと可哀想だから言わなかっ
たけど、おまえが言ってくれれば否定
する奴は居ないから助かるよ。それに
何か企んでる時の、って言うのが気に
入った。よくそういう言葉を思い付く
よな。これで今度から堂々とセレナの
CM観られるよ。あははは(^o^)」


と笑っていました。


ご飯を食べながら、マーケティング的
なコトについていろいろ質問して来る
奥さんに、一つ訊いてみました。


「商品、という場合、何があれば商品
と言えるのか?」


・欲しいと思う機能
・買う人が使う上で価値を感じる実体
・その用途に応じた性質
・原料を加工してお得だと思う価格
・サービス内容とモノと性能
・・・


ものすごくたくさん出ました。


でも、どれを言った後も必ず首を傾げ
てしまいます。どれも「これ!」と言
えるモノではないようです。


奥さんが「答えは何ですか?」と訊く
ので、わたしは答えました。


「名前と価格」


奥さんも旦那も一瞬、目をまあるく見
開いて、「え?それだけ?」という顔
をしましたが、旦那が笑い出しました。


「そうだね。以前、トヨタで働いてる
同級生が言ってたよ。どんな性能の車
でどんなターゲットだから価格はいく
らの○○って言う名前のクルマを作る
って発表するだけだって。そうすると
下請けの会社達が自分の会社の部品を
使って欲しいからいろんな技術を駆使
してその価格帯に納まるクルマを提案
して来るって。名前と価格だけあれば
後は自分で開発する必要もないんだな
あ…」


わたしは奥さんに言いました。


「以前お手伝いしたポップも実は基本
的に1番大切な価格をしっかり書いて
名前をどう目立たせるか?に重点を置
いて書いただけなんですよ。後はその
商品を使うコトで生活の何が変わるか
をマーチャンダイズしてできるだけシ
ンプルな言葉で書いただけ。余白をど
う見せるかで高級感を出すのか割安商
品なのかを差別化するだけなんです」


奥さんはポカーンとしていましたが、
少し考えてから、こんなコトを言いま
した。


「モノの本質を抑えていれば自然とシ
ンプルないいコピーが書けるんですね
?私はいろんな知識を持ってどんどん
足して行くようなイメージでした。だ
からポップがゴチャゴチャしやすいん
ですね?そうか…、まさに目から鱗っ
てこういうコトを言うんですね!もう
一度、原点に戻って考えてみます」


とてもスッキリした顔になって、笑顔
で帰って行きました。


あなたも自分の考えが複雑になってい
る、と思った時は、そのモノの本質は
何か?と考え、できるだけ単純化して
再考してみてはいかがでしょうか?


意外と出口は近いかも知れません。