hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

ちょっと待って!『令和』の出典❝万葉集❞って文化史なの?

ご来訪いただき、有難うございます!


新元号『令和』に関してテレビで毎日
いろいろな評論家や専門家が出て来て
感想を言ったり解説をしたりしていま
す。そしてその誰もが❝万葉集❞は国書
で、かつ、歌集である❝万葉集❞という
文化の話としての言い方は皆さん共通
の認識のように思えます。日本の文化
としての論評ばかりが展開されていま
す。


でも、ちょっと待って!


❝万葉集❞って国書であるコトは間違い
ないと思います。確かに漢籍の影響は
強いと思いますが、日本古来の歌集で
あるコトは疑いのない事実です。


でも、文化史の一つとしての取り上げ
方だけで、正しい認識が為されるとは
思いません。考え方の一つとして井沢
元彦さんの❝逆説の日本史❞的な専門家
が出て来てもいいのではないか?、と
思います。


日本古来の❝歌集❞の持つ意味は、まさ
に「政治史」そのものだと思うのです。


日本は❝言霊(ことだま)❞の国です。


強烈な言霊を発するコトができる歌人
達の言葉を集めて言挙げ(ことあげ)し、
悪霊を鎮めるコトこそが当時の政治そ
のものだった、と思うのです。


だからこそ、政治の「政」を❝まつり
ごと❞と読むのが日本語なのです。


この❝まつりごと❞は「祭り」ではなく
「祀り」のコトだと考えると、その後
の日本の政策が理解しやすいと思いま
す。


ネット上では、政治の政を❝まつりごと❞
と読むのは、昔の政祭一致の名残りだ
等と言っている人達がいます。わたし
の小学校の先生もそう言っていました。
国語の先生たちはそう言う先生が多い
のも事実でした。


でも中学も高校も、日本史の先生たち
は面白いコトを教えてくれました。


「❝まつりごと❞が❝祀るコト❞なら、そ
の後の大量の勅撰和歌集の編纂の意味
が、理解しやすくなるよね」


つまりその当時の政治そのものが、悪
霊から民を守るために、いや、政治の
中枢に居る人達を守るために、パワー
ワードで言霊を言挙げし、霊を祀るコ
トこそが政治だったのだと考えると、
時の為政者達が勅撰和歌集の編纂を夢
中になってしていた事実が理解しやす
い、というのです。つまり、和歌集を
作るコトは文化史の範疇ではなく、政
治史そのものであると考えると日本と
いう国の特殊性がわかりやすい、と思
うのです。日本は悪霊が暴れ回るから
と❝遷都❞していた国です。


若い頃、そういう説を唱えている人を
探しました。そして、『逆説の日本史』
という井沢元彦さんの本に出逢った時、
本を持つ手が震えました。


この人の論証は正しい、と直感しまし
た。


必ずしも、これが正論だ、という人ば
かりではありません。ただ、そういう
立場の人が居てもいい、と思うのです。
少なくとも、わたしは井沢元彦さんの
いうコトは、ものすごく興味を持って
しまいます。彼の言う『源氏物語は、
元々17帖の物語だった』説も、とても
魅かれている説の一つです。


当時、コピー機等ない時代ですから、
源氏物語を読みたい人は、元の本を借
りて写本して行った訳です。そして、
こんな話も欲しいなあ…と思った人が
書き加えて行った結果、54帖の物語に
なった、と言うのが井沢元彦さんの視
点です。


もちろん、どの話が最初の17帖かも書
かれていて、それも納得できる書き方
がされています。それを読みやすく書
いてくれている❝源(げん)❞というミス
テリー仕立の作品もあります。


元々、源氏物語の成り立ちを考えると
面白くない筈がありません。娘(中宮
彰子)の家庭教師的な立場として紫式部
を呼ぶコトにした藤原道長が、彼女に
紙を渡すコトでスポンサーとなり、彼
女に娘の元に殿(一条天皇)が通ってく
れるように、世界初の週刊連載小説を
書いてもらった訳ですが、話のネタ元
は、教え子の父親である藤原道長であ
る、と言われています。


つまり、今風に言えば、藤原道長と紫
式部が不倫関係にあって、その寝物語
が源氏物語の元ネタだと考えれば、ほ
ぼ絶対的に面白いと思いませんか?


もっとも、その頃は今のように不倫は
イケないコトではありませんでした。
もし、社会的にアウトなコトだったら
江戸時代の大奥など、あり得る筈もあ
りません。大奥なんて、殿があの女が
気に入った、と言ったら、人の嫁さん
だって入内させたくらいですからね。


以前、日本の歴史を調べていたイギリ
ス人の友達に、


「日本人はどうしてこんなに性におお
らかな国民だったんだ?」


と驚かれていたくらいです。


ちょっと話が脱線してしまいました。
元に戻しますね。


文化なのか?、政治なのか?


今の日本の常識としては文化かも知れ
ませんが、政治の一環として出て来た
モノなら、政治と文化が融合していた
日本の特殊性を愛でる方が楽しくあり
ませんか?その中から出て来た「令和」
という新しい元号。


ただし、現在の天皇は生きている時は
今上天皇(きんじょうてんのう)ですが
崩御なさった後は、元号を付けた名で
呼ばれます。ですから、現皇太子殿下
の諡(おくりな)としての名前にもなる
訳ですから、もう少し皇室の人も元号
を考えるメンバーに入った方がいいの
では?と個人的には思いますが、法律
的には融通が利かないのが、ある意味
日本らしいのかも知れませんね。


最初は、音は綺麗だけど、なんだか冷
たいイメージの元号だなあ…、と思っ
ていましたが、1週間経ってみると、
悪くないかなあ…、という気がして来
たので、5月1日には好きになってい
るかも知れません。


いつか平成天皇と呼ばれる現今上天皇
のお人柄がとても好きなので、今回の
ご退位に関しても、政府の対応が必ず
しも良かったとは思いませんが、外国
との関係もあり、法的に問題がないよ
うに、こういう形を取るしかなかった
のかも知れません。


とにかく、あと1か月もしないうちに
令和の時代が始まります。


勅撰和歌集ではなく、万葉集からの出
典なので、文化史と言えないコトもな
いのかも知れませんが、そういう見方
もあるのかも知れない、と少しだけ考
えてみてください。


新しい時代のはじめに❝常識❞と言われ
ているコトを少しだけ疑って自分達の
ルーツを考えてみるキッカケにしてみ
ませんか?