hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

天才に見えない天才――出来るコトをコツコツやるのが天才の資質――

ご来訪いただき、有難うございます!


暑い日が続いていたのに、急に涼しく
なりました。こういう日には、あった
かいお風呂でバスロマン「プレミアム
・発汗保温浴」のオレンジ色のお湯に
入るのが幸せを感じるひと時です。



以前は入浴剤というと、できるだけ安
く香りのいいモノを探すのが楽しかっ
たのですが、ここ数年、バスロマンの
シリーズの何を使うか?という楽しみ
に変化しました。今は「プレミアム・
発汗保温浴」のオレンジ色のお湯と、
「スキンケア・シアバター&ヒアルロ
ン酸」の白濁したお湯がお気に入りで
す。


これから秋の長雨のシーズンですね。
雨の時はわたしは母(以下おっかさん)
の術中にまんまとハマって、大嫌いだ
ったのに、雨の日を待つようになった
コトがあります。雨が降ると外に出る
のは本当に嫌いでした。濡れるし、服
を着替えないと気持ち悪いからです。


ところが或る日、カッパがふたり分、
置いてあって、


「ふたりでカッパだけ着て、傘をささ
ずにお散歩して来よう」


と言われて、当時近くの井之頭公園ま
でお散歩して来ました。もうビショビ
ショだけど、傘をささないと雨の日で
もこんなに楽しいのか、と思うくらい
ビシャビシャと遊んで帰って来ました。


そして、当時はウチにお風呂がなかっ
たので、おっかさんが着替えを持って
ふたりでそのまま銭湯に行って、ゆっ
くりあったまって新しい服に着替えて
帰って来ました。まだ、おっかさんと
一緒に銭湯の女湯に入れるくらいの歳
の頃です。銭湯が歩いて5分くらいの
近くにあったのも幸いして、ぽかぽか
のまま帰って来ました。家に着くなり、


「あったかいココア、飲もうか」


と、当時なかなか飲ませてもらえなか
ったココアを、温めた牛乳で溶いて飲
ませてくれました。


美味しかった…。その次の雨の日も、
その次の次の雨の日も、


「お散歩、行こうよ!」


と言うようになっていました。雨の日
を心待ちにしていた時期があります。




さて、経営コンサルタントをやってい
た関係で、いろいろな人たちとお逢い
しました。人材開発も積極的にやって
いたので、たくさんの天才的な人達と
も随分お逢いしました。


ご自分の専門ジャンルに関してはとて
も勉強熱心で、スペシャリストとして
お客さんと付き合っている優秀な営業
マンもたくさん見て来ましたし、研究
者としてたくさんの論文を発表し、外
国からも注目されている天才も何人も
見て来ました。


でも、たった一人だけ、本当に人間に
関する洞察力が鋭くて、圧倒的な顧客
獲得力を誇る不動産の営業ウーマンが
いました。全く鋭さを感じさせないの
に、とにかくみんな彼女のお客さんに
なってしまうんです。彼女こそ本当の
天才だと思う藤田ニコル似のその女性
のコトを書いてみたいと思います。


彼女のコトを…、藤田ニコルさんに似
ているので仮に藤田さんと呼びます。


藤田さんは、初めて営業でトップの成
績を達成した時、営業ですらありませ
んでした。事務員だったのですが、掛
かって来た電話を、話の内容によって
営業につなぐと、成約するんです。


わたしがコンサルテーションを依頼さ
れて、最初の月に丸1日、状況把握の
ためにその不動産企業で過ごしていま
した。


藤田さんは、とても訊き上手でした。
声に張りがあり、よく笑うんです。相
手が何か藤田さんに相談すると、自分
がよく解るまで、質問を重ねます。


「あ、はい。それって~~なんですか
?」


とか、


「へー、すごいですね」


とか、


「それ、もっと詳しく教えてください
よ」


とか、楽しそうに相手に喋らせるのが
上手なんです。


そして、相手の希望が理解出来たら、


「ご希望はよくわかりました。ご期待
に沿う物件があるかどうか、上司に相
談してみます。お電話させていただく
のに、ご都合のいい日を2~3、頂戴
出来ますか…はい、…はい。ありがと
うございます。あ、今日はこれからの
ご予定は…?あ、大丈夫なんですね?
わかりました。はい、失礼しますう」


と電話を切った時には、電話メモにお
客さん情報をしっかり書いて、営業の
主任に相談に行く訳です。


「それなら、誰々の担当する物件がい
いんじゃないか?」


と訊くと、その担当営業の所に行って
「主任が、この物件がいいんじゃない
か?」と言ってました、と伝えます。
そして、


「今日はこれからいらっしゃるそうで
すよ」


と伝えます。担当営業はすぐにコール
バックして、相手は


「対応が早いね」


とイイ感じの関係が出来て、その後、
内見等の手続きを経て、成約する案件
が多い、という印象でした。


話し方がポワーンとしていて、ダマさ
れる心配を感じないというか安心でき
るんです。それに話し方がゆっくりな
ので、相手にはよく解るような話し方
なんです。


ただ、見事な手配ぶりだったので、わ
たしが営業部長に訊いてみると、彼女
は事務員で、営業アシスタントもやっ
ていない、というので、彼女の評価を
誰がしているのか訊いてみると、事務
次長がしている、という返事でした。


当然のコトながら、営業サポートの評
価は無しです。そこで、彼女と話して
みると、面白い女性でした。


「私はバカなので、営業でお客さんの
前には出せないから、事務と電話番で
もしておけ、と言われました」


とか、


「ことわざが好きです。って言うか、
大切なコトは全部コトワザになってる
と母に教わりました。私は「雄弁は銀、
沈黙は金」と「鉄は熱いうちに打て!」
の2つが好きです」


とか、


「人に逢うのが好きです」


とか言うんです。


今の電話の扱い方がとても理にかなっ
ていて、営業に向いていると思う、と
伝えると、


「うわー、そんなコト言われたの初め
てだから、嬉しいですう。ありがとう
ございますう。私もやってみたいです」


と言うので、人事部長に掛け合い、彼
女を営業部付けに出来ないか、相談し
たところ、営業アシスタントなら募集
しようとしていたところだから、すぐ
にでも部署を変更します、という返事
をもらいました。そこで、彼女の評価
方法として、掛かって来た電話を取り
次いで、それが成約した場合、25%が
彼女の評価分、担当営業は75%の評価
という割合を提案し、採用されました。


そして、初めて営業アシスタントにな
った月に、トップセールスマンは彼女
になりました。


私としては、不思議でも何でもありま
せんでした。彼女が実績を残せば、営
業部隊がお客さんからかけてくれた電
話をもっと有難いと感謝するようにな
る、と思っていました。


ところがこの会社では、電話での成約
なんてラッキー・パンチみたいなもん
だから、営業は外へ出て情報を集めて
来い!という体質でした。


もちろん抜本的に体質を変える手を打
ちましたが、目に見えて伸びたのは、
藤田さんでした。


自分で喋るより、相手に喋ってもらっ
て、出来るだけ購買意識が高いうちに
連絡する。


まさに、


・雄弁は銀、沈黙は金
・鉄は熱いうちに打て!


を実践しています。経営コンサルタン
トの大切な仕事は、


・現場優先で従業員が動きやすいシス
 テムを構築するコト
・お客さんファーストのサービスを構
 築するコト


という2つを実現するコトです。良く
ない会社は、いろいろな理由で良くな
いんですけど、いい会社は上記2つを
企業風土として持っている会社です。


この不動産会社は、経営陣が経営学や
マーケティングを食い散らかしている
タイプで、建て直しには苦労しました
が、藤田さんが、会社を変える上でモ
ノ凄い活躍をしてくれました。


営業アシスタントに所属替えされた月
から連続6か月、営業成績トップを続
けてくれました。


4か月目から、営業が電話を気にする
ようになり、7か月目で積極的に電話
に出る営業部隊がやっとできました。


1番厄介だったのは、経営トップ達の
意識改革です。会社の体質改善のため
に、藤田さんのやっているコトを理解
させました。それだけで、その会社の
売上は1,8倍になりました。


自分から電話をかけて来てくれるお客
さんは、潜在見込み客であるコトを理
解させ、それまでの取り組み方法を根
本的に変えさせました。


電話は電話番が出る、という企業風土
から、お客さんの声を積極的に訊こう
とするコトこそをマーケティングとい
うんだ、と伝えました。


7か月目で1度、営業マンがトップを
取りましたが、もちろん年間トップは
藤田さんでした。営業部隊に藤田さん
のマインド・セットを共有できるよう
に指導しました。彼女は照れていまし
たが、彼女が力を込めて伝えたコトは


「お客さんの要望を興味を持って訊け
ばいいんです。こっちの都合は関係あ
りません。お客さんの要望をできるだ
け叶えられれば、成約してるんです」


わたしもその通りだと思います。では
お客さんの声を訊くために何をすれば
いいのか?電話やメールでの情報だけ
でなく、部屋や家を探している人がど
こに居るのかを気にするコトです。


賃貸を探している人も居ますが、購入
を考えている人も居ます。その会社は
賃貸がメインだったのですが、購入者
も増やしたい、と考える営業マンが出
て来ました。


賃貸契約では藤田さんに勝てないから
です。どうしたら購入者を見つけられ
るのだろう?そういう話をお昼を食べ
ながらでもする会社になって、家を買
おうとする人がどこに居るのかを話し
ている時に、わたしが、


「あなたが家を買おうと思ったら、ま
ず誰に相談したいと思う?」


と訊きました。みんな、考えていまし
たが、藤田さんが、


「建築家さんか設計士さんか、図面を
引ける人!」


と答えて、その日のうちに建築設計事
務所をリスト化し、電話でアポを取り
始めました。


賃貸物件の他に購入者案件でもトップ
を続け、藤田さんがダントツのトップ
を独走するようになりました。


それで3年間トップ営業を続け、次の
ステップで何を目標にがんばればいい
のかを訊かれた時、


「これからは後輩の営業指導をして、
藤田さん以上の営業マンを育てるコト
を目標にやって行ったらどう?」


そう答えると、彼女は人に教えるとは
どういうコトなんだろうと、わたしに
しつこいくらい、いろいろ訊いて来ま
した。


1年後、彼女のニックネームはリトル
hitty(もちろんわたしの苗字です)と
呼ばれるようになりました。


彼女は訊き上手です。訊く際に自分が
どのように行動したら結果が出るのか
をイメージしながら質問して来るので
話が終わるとすぐに実行している訳で
す。そして、とても素直なので、訊い
たコトを出来るだけ忠実にトレースし
ようとします。


その行動パターンが、平凡に見えるの
に、とても非凡で、わたしは天才だと
思っていました。


その会社とのコンサル契約が終了して
から10年後、藤田さんが社長になった
そうです。その時に、再度、コンサル
を依頼されたのですが、藤田さんのお
考えをお訊きしたところ、できるコト
を着実にやっていらっしゃって、コン
サルは必要ないと思いますよ、とお断
りしました。


コンサルが必要なのは、言うなれば、
実行委員会を作るコトが必要な時なん
です。例えば、運動会をやろう、とい
う時、どんな種目をやろうか、とか、
どんな指導を仰ぐか、等を決め、どの
ように練習するか、とか、どんな音楽
を流すか、とか、得点の計算方法は?
とか、運動会当日までいろいろな準備
を進めます。そして、運動会が終われ
ば、解散します。藤田さんの会社では
やるコトがハッキリ見えていたので、
コンサルは要らない、とお返事した訳
です。


天才とは、自分にできるコトをコツコ
ツと積み上げて、回りから見ると凄い
コトをやっているように見えますが、
実は目の前のコトを1つ1つ心を込め
て取り組む姿勢を持っているコトだと
思うんです。イチローさんしかり、ア
インシュタインしかり、だと思います。




今回は政治家批判はやめましょう。懸
念していた方にどんどん向かって行く
ので、言うだけ虚しさしか湧きません。
一言だけ言うなら、無能が権力を持つ
ほど手に負えないコトはないなあ…と
実感する日々です…。


気分転換に小説など、読んでみません
か?わたしのもう一つのペンネーム・
安浪蘭人(あろうらんど)で『分岐点』
という小説を書いています。毎週日曜
日に更新しています。現在、第4章の
「失神」を掲載しています。以下から
飛べますよ。一度ご覧ください。