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ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

犬も歩けば…恋に当たる!~その3~

ご来訪いただき、有難うございます!


犬も歩けば…恋に当たる!~その3~
をお送りします。まずは前2回が結構
長いので、要約から始めます。


~その1~のあらすじ


寒い朝、前日の暖かさに薄着の女性と
地下鉄で出逢い、コートを貸したコト
からその日の夕方、地下鉄の改札で再
会するコトになったふたりの話。彼女
の提案でお茶をするコトになりホテル
の喫茶店に入ると、彼女に「抱いてく
ださい」と言われて戸惑った所まで。


~その2~のあらすじ


彼女は女医さんだった。どうすれば素
直な気持ちを相手に届けられるか?や
自分の経験をもとに女性との接し方を
彼女に話すわたし。その話に引き込ま
れて行った彼女…。


あははは(^o^)。前回の内容はあらす
じにすると全然面白くないので、やっ
ぱり読んでくださいな。よろしくお願
いします!。




前回同様、イメージ写真です。内容と
は関係ありませんので悪しからず。


では、~その3~に入ります。今回で
このシリーズは最終回です。


「恋人と10年も付き合ったのなら、そ
の中でこの言葉が刺さったとか、ココ
が離れられなくなった所、っていうよ
うな何か特別な気持ちになるコトがあ
ったんじゃないか?と思うんですけど
そういうのがあったら教えてください」


彼女は真剣に訊いています。わたしは
その恋人が言った言葉の中で刺さった
言葉を思い出しました。


「ふたりで抱き合っていた時、感じて
いたんだと思いますが、『今、挿れて
もらうためだったら、どんなに悪いコ
トだってやるから、お願い、早く!』
って言われた時に、オトコには全くな
い発想だなあ…と思ってものすごく可
愛い、と思いました。わたしより4つ
お姉さんだったんですけどね。特別な
気持ちになった所はたくさんあり過ぎ
てどれから言えばいいかわからないな
あ…」


そう答えました。彼女は、呟くように
話し始めました。


「それ、素敵だなあ…。特別な気持ち
になった所がたくさんあり過ぎるって
いうコトは、恋人のも、奥さんのも素
敵な思い出がいっぱいあるってコトで
しょう?それを憶えていられる人って
その時に一緒に時間を過ごした人だけ
の特権ですよね?相手がそういう時間
をたくさん憶えていてくれる人って、
それだけで最高のパートナーですよね?
…私の別れた元・夫はたぶんそういう
コト、何にも憶えてないタイプです。
ふたりで過ごした時間を憶えていてく
れる人かどうかは、寝てみないと判ら
ないから…、普通は。こんな偶然でも
ない限りは…ね」


わたしは彼女のコトでどうしても一つ、
気になっていたコトがあったので訊い
てみました。


「あなたに『抱いてください』と言わ
れた時にとても違和感を感じました。
なぜかと言うと、あなたが薄着だった
のは『まさかたった1日で10℃以上も
気温が下がるとは思わなかった』と
おっしゃったからです。わたしはテッ
キリ彼の部屋に泊まったら寒くなって
しまって薄着のまま帰って来た、とい
うコトだと思っていたんです。それな
のに、どうしてそういう発言が出て来
るのかがわかりません」


彼女は笑いながら話しました。


「うふふふ。おもしろーい。そんなコ
ト考えてたんですか?私のお休みは水
曜日なので、友達と女子会で集まった
んです。2月に入ったら女子会をやろ
うって仲のいい友達何人かに声をかけ
てあったので、仲良し5人組が揃いま
した。みんな翌日は休みを取って来て
いたので、盛り上がってそのお店の近
くのホテルに泊まって、朝までみんな
で話し込んじゃって…。少しだけ寝て
帰ろうとしたら寒かったっていう話で
す。男っ気なんか全然ありませんでし
た。なんか羽織るモノでも持って来て
おけばよかった…と思っていた所に声
をかけていただいたっていう訳です。
ちなみに5人とも女医ですよ。さっき
の話を聞いたら、みんなビックリしま
すよ。アラフォーの5人とも失神なん
てウソだっていうのばっかりだから。
あははは…」


仮称「蜷川べに」さん似の女医さんは
30代半ばだそうです。四捨五入だとア
ラフォーでしょうが、どうみてもアラ
サーです。最近は本当に女性は年を取
らなくなったなあ…と思います。その
「べに」さんがわたしに訊きました。


「私も不思議に思ってるコトがあるん
です。さっきの話だと奥さんととても
仲がいいように感じました。それなの
に、どうして…別に恋人が出来たので
しょうか?」


わたしはたぶん、顔が赤かったと思い
ます。


「いやー、それは本当にお恥ずかしい
話なんですが…、息子に嫉妬した、と
しか言いようがない心理状態でした。
カミさんとわたしは、二人だった頃、
『たとえ子供が出来ても、お互いに1
番愛し合っている関係でいよう』と言
い合っていました。今から思えば子供
が生まれたら子供に愛情がシフトして
子どもが1番になる母親はむしろ好ま
しいと感じますが、それまで彼女は、
付き合い始めてから約15年間、わたし
が彼女を求めた時は、100%受け入れ
てくれてたんです。それも毎晩のよう
に求めていたのに、どうしても疲れて
いる時は口や手でヌイてあげるから、
それで勘弁して、という女性でした。
ところが息子が、2歳になる頃、断ら
れた日があったんです。『こんなに眠
る時間も足りないのに何言ってんの!』
それまでの2人の関係が壊れたと思い
ました。息子に嫉妬した、と言うより
正確に言葉を選ぶと、カミさんの1番
が俺じゃなくなった…と思いました。
そんな…バカげた理由です」


わたしは頭に手をやって穴があったら
入りたいと思っていました。べにさん
は、しばらく考えていましたが、


「意外と普通な理由ですね。一般的に
妊娠期間中にそういう気持ちになる男
が多いと思いますが、それが少しズレ
ただけですね。奥さんが少し頑張り過
ぎて大きな子供を作ってしまったんで
しょうね。もっと早い段階でわがまま
を言える関係を築いておけばよかった
のに…ね」


そう言いました。ところがすぐ、


「これは奥さんにその時点での気持ち
を聞いてないから何とも言えませんけ
ど、奥さんも毎日のように求められる
快感があったのかも知れないなあ…。
私はそんな経験がないからわかりませ
んが、それって現実だったら多少無理
してもそう言ってくれるオトコは恋し
いかも知れないなあ…。きっと、浮気
した今となっては、その時の正直な気
持ちは聞き出せないでしょうけど、今
も一緒に居るってコトは、それを許せ
るくらいには愛してくれてる訳ですか
ら…。そういうコトなんですね?」


そう言って、わたしの顔を覗き込みま
した。わたしは考えながら、


「…さあ、それはどうでしょう?そん
なに素敵な話でもないと思いますよ。
カミさんからしたら、《私を深く傷付
けた分、しっかり償いなさい!》って
感じだと思いますけど…。」


と言いました。べにさんは、


「私は結婚していたのに10年はもたな
かったのに、あなたは不倫なのに約10
年もったのは何が違うんでしょうか?
しかも奥さんとは結婚状態がずーっと
続いている。どうしてそういうコトが
起きるのか、とても不思議です」


と言って、またわたしの顔を覗き込み
ました。わたしは言葉を選んで話しま
した。


「…それは恋人に起因するところが大
きいと思います。奥さんと別れちゃダ
メだって最初から言ってた。人の不幸
の上に成り立つ幸せは絶対にすぐ壊れ
るからって…。俺は妻子持ちだし、彼
女には旦那も恋人も…、それに肉体的
にも精神的にも彼女を支えていた男性
も居た。後で知ったコトだけど、俺は
4番目のオトコだったんです。彼女と
初めてデートした夜、彼女から聞いて
いた年齢が嘘だという告白をされた。
そんなの全然気にならなかった。次に
言われたのが独身と言うのも嘘だとい
うコト。離婚しようと思って旦那と別
居してるけど、まだ離婚していないコ
トを聞かされた。それからしばらくし
て、別居した理由は自分より10歳くら
い若い恋人が出来たから、旦那とは別
れようとした、と聞いた。旦那は15歳
くらい上だというコトも聞いた。彼女
と関係が出来てから、彼女をズーッと
支えていてくれた男性が居るコトも知
った。彼女は俺を『奥さんが居るコト
を知った上で好きになったんだから』
と言ってた。でも、付き合い始めて、
間もなく俺の家庭に子どもが出来た。
彼女は初めて『あなたが独身で自由に
好きだって言えたらいいのに…』って
言った。彼女は恋人、旦那、支えてく
れていた男性、の順に別れて行った。
俺とだけ付き合うようになった理由を
『カラダを他の人に触られるのが気持
ち悪くなったから…』と言った。俺は
彼女を愛した。付き合いはじめて1か
月くらい経った時、『愛してる』と言
ったら、彼女は『私は男を愛したコト
はない。愛しているのは子供だけ』と
言った。そんなコトを言ったオンナが
次々と男達と別れ、3か月経った頃、
俺を愛してる、と言った。俺は彼女に
『誰と付き合っていようが誰を好きだ
ろうが構わない。俺がおまえを好きに
なっただけだから』と言い続けている
うちに、彼女も俺を愛してくれるよう
になった。人を心から愛すると、不思
議なコトにいろんなモノを愛せるよう
になった。愛情の総量が増えて行くの
がわかった。その頃、カミさんのコト
も、今まで以上に愛しているコトに気
付いた。彼女は『たぶん、そうだろう
と思ってた。私に対しての愛情も増え
てる気がしてたから…』と言った…」


そこまで話した時、アルコールを頼も
うとすると、べにさんは、


「今夜はやめておきましょう。興奮さ
せてしまったと思います。ごめんなさ
い。こんな質問ばかりしたら…しかも
誠実に答えてくれようとしたらそうな
りますよね?この上、アルコールを飲
んだら、あなたの主治医に申し訳ない。
明日の透析で引かなきゃならない水分
量が増え過ぎてしまうから、コーヒー
のお代わりで我慢してください」


彼女が女医さんだというのを信じまし
た。彼女はコーヒーのお代わりをウェ
イトレスさんに頼むと、


「もう少しだけ教えてください。その
状況で更に愛情が増えた、っていうの
がわかりません。例えば奥さんに対し
て、どう愛情が増えたんですか?」


そう言って、わたしの目を見ました。


「それまで、俺の愛情は彼女への愛情
ではなくて、自尊心を保つための縛り
としての愛情もどきだったコトに気付
いちゃったんです。恋人のオトコ関係
は全部許すって言ってたくせに、カミ
さんのは今までなら絶対に許せないと
思っていた。だって息子が1番なのも
許せなかったんだから…。その時、若
い時の恋愛と、年を重ねてからの恋愛
の違いがわかっちゃったんです。若い
時の恋愛は相手に向けた愛っていうよ
りも自分の子孫を残すための潔癖な愛
なんだろうと思うんです。それに対し
て、子供も出来てからの恋愛は、相手
が居てくれるだけで幸せになる恋愛に
変わるんだと思いました。その時に、
カミさんのポジションをもう一度考え
直してみたら俺にはカミさんが居てく
れればいい存在なんだって気付いてし
まった。彼女の声がとても好きで、い
つまでも電話を切れなかった頃のコト
を思い出したりして…。今もカミさん
の声が聞けなくなるのはイヤだ、と思
います。あるのが当たり前になってる
けど、無くなったら絶対に嫌なモノが
ハッキリわかったんです」


べにさんは、俺の瞳を見つめていまし
た。そして、こんなコトを言いました。


「定期的に逢ってもらえませんか?そ
して、私にいろんな経験を話してくだ
さい。あなたの経験を全部聞かせても
らった時…、新しい思い出を作っても
いいなあ…と思った時、私を抱いてく
れませんか?」


わたしは思わず、


「さすが女医さん。頭いいなあ。さっ
きアドバイスしたコトを全部実践しち
ゃった。今のは、抱いてって言う上で
は、ベストだと思います。でも、昔み
たいに一晩中とか全然無理だから、も
っといいオトコはたくさんいますよ」


そう言いました。彼女は、


「あなたの話を聞いててわかったコト
があるんです。いいオンナと出逢った
からいいオトコになったんだってコト
です。今の話だけでも、少なくとも2
人はいいオンナに逢ってるんだから、
あなたがいいなあ…って」


彼女は、次回は1杯だけカクテルを飲
みに行きましょうと言いました。とこ
ろが、別れ際に何かわたしのコトがわ
かるSNSとかはやっていないのか?と
訊くので、ブログとフェイスブックを
教えたところ、安浪蘭人のところで歌
を歌っている動画を見つけたからと、
カラオケボックスに変更しましょうと
言って来ました。


このまま、茶飲み友達になったら少し
残念な気もしますが…。


長い3回シリーズにお付き合いくださ
り、ありがとうございました。彼女と
のコトは気が向いたら書きますね。で
も今回書いてみて、こういう内容は恥
ずかしいッス。しかも、伝わる程度に
詳しく書かないと伝わらないので長く
なるのには閉口しました。


実は今回、なぜこんな記事を書くコト
になったのか?の舞台裏の事情だけ、
お話しておきます。べにさんが、


「抱いてくれないなら、何か代わりに
思い出をください。ふたりの時間を共
有出来て、その時の思い出は確かに共
有出来てたコトを確かめられるモノが
いい…。小説だと架空の話になっちゃ
うから共有ができないので、何か考え
てくれませんか?」


…それで考えた結果、こうなりました。
小説化した方が設定を詳しくできる分、
面白く書けるんですけど、共有感は薄
いのかも知れません。女性を満足させ
るのは、楽しいんですけど大変ですね
(^o^)/。