hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

「効率的」という言葉の罠――サービス内容の低下する低コスト化は効率化とは言わない――

ご来訪いただき、有難うございます!


安浪蘭人の小説『分岐点』第1章「ス
イッチ」、たくさんの方にお読みいた
だきまして、誠に有難うございます。


まだの方は、こちらから飛べます。



次回は8月15日(日)に第2章「鍵」
を週刊連載します。毎週日曜日の連載
企画なので、よろしければおいでくだ
さい。


 


今週、わたし的にはコンテンツネタで
ビッグニュースが2つありました。


もちろん、安浪蘭人の小説が3ケタの
読者を獲得した!というのもビッグ・
ニュースではあるのですが…


1つ目は、村山由佳さんの『おいしい
コーヒーのいれ方』(以下『おいコー』)
が20年越しに完結しているのを見つけ
て、買って来た日の寝る前には読み終
わってしまい、あっという間の出来事
で、あんなに待っていたのに、感動は
一瞬だった…というネタです。




この作品は、村山由佳さんという作家
を知った作品でした。


それまでにも作家さんの作品を読んで、
その作家さんに恋をする、という経験
は何人かして来ました。森村桂さん、
新井素子さん、紫式部、藤堂志津子さ
ん…。


でも、それは作品の世界に恋をしてい
る訳で、それこそご本人を抱きたいと
か、そういう感情ではありませんでし
た。


村山由佳さんは、作品ごとに書いてい
る人が違うのではないか?と思うほど
別の作品のテイストを醸し出す人で、
まさに、そのギャップにやられました。


そこに村山さんが居たら、口説きたく
なるほど、恋焦がれました。


そして、『おいコー』で好きになった
のですが、実はその前に『天使の卵』
という作品で読んでいたコトを知り、
『天使の卵』シリーズや、『星々の舟』
『ダブル・ファンタジー』等の衝撃作
に触れた後、『天翔る』という実に爽
やかな作品…と、読む度に新鮮なオン
ナを感じずには居られない作家さんで
す。


実は、その『天使の卵』というのは偶
然知った作品でした。当時、コミック
誌のインタビューで押井守監督とお会
いして、自分の作品の記念碑的な位置
付けで『天使のたまご』という作品が
ある、とお訊きして、それを調べよう
としたら、出て来たタイトルでした。


もちろん、全くの別物だとわかった上
で『天使のたまご』も『天使の卵』も
どちらも好きになりました。


ダメだ。村山由佳さんのコトを話し始
めると終わらなくなってしまうので、
今回はこれで打ち切ります。


今度、村山由佳さんと石田衣良さんで
1回分書こうっと。その時は、猛烈に
長くなるかも知れませんので、先に謝
っておきます。ごめんなさい。


2つ目に入ります。


『僕のヒーローアカデミア』
THE MOVIE ワールドヒーローズ
ミッションを今朝観て来ました。




最後の方で、デクと或るキャラクター
が笑い合うシーンがあるのですが、そ
こで不覚にも涙がこぼれました。


今回のは、以前公開された2作品より
まとまってるイメージなのかな…?と
思って観ていましたが、いやいや凄か
った。思わずパンフレットが欲しくな
って特別版の方を買ってしまいました。


ヒロアカファンにとっては、誰もが忘
れられない「洸汰くん救出回」や「壊
理ちゃん奪還回」のイメージを彷彿と
させる演出が出現して、イヤでも気分
が高揚する仕掛けになっています。


それ以上はネタバレになってしまうの
で、ここで止めます。もう一回観に行
こうかなあ…。




さて、今回はネタ振りが長過ぎて、枕
だけで止めようかとも思ったのですが
本題を書かないのもどうかと思い、本
題はやっぱり書くコトにしました。


あなたは「効率化」という言葉にどん
なイメージを持っていますか?


効率化と聞くと、いいイメージを持つ
人が多いのには驚きます。本当にそれ
が効率化なのかどうか、検証もせずに
です。効率化を図り、経営状況を改善
する、というような標語を掲げて、低
コスト化を図りさえすれば、サービス
の低下や、現場では事実上の改悪でも、
経営者達は手を打ったと思い込み、そ
れによる業務の無理強いが行われるコ
トが非常に多いんです。


現場は大変になる上に、顧客側でもサ
ービスの低下が著しく感じられれば、
当然そのサービス提供者を切るコトに
なります。その際、状況を正しく認識
出来る経営者というのは案外少なくて
そういう顧客をワガママだとか理不尽
だとか言って、自分達のサービス低下
は棚に上げて、自分達を正当化しよう
とする傾向が強いんです。


わたしがコンサルタントとして企業の
指導をしていた頃、口を酸っぱくして
言い続けていたコトは、効率化とは何
か?と経営陣は問い続けながら業務に
邁進してください、というコトでした。


効率化、という言葉に酔う経営者は本
当に多くて、顧客サービスの質を下げ
て、従業員には無理強いをして、悪い
コトばかり積み重ね、顧客には切られ、
顧客の悪口を言う経営者達のなんと多
かったコトか…。自分達が従業員に改
悪する提案をしているコトが解らない
経営者達を山のように見て来ました。


この手の経営者達の共通点は、顧客を
見ていない点、自分の威厳を従業員か
ら確認したい点、現場を下に見ている
点、ヒマな奴である点、本で少しだけ
経営用語をかじったつもりになってい
るタイプである点…が挙げられます。


こういう経営者は、自分の経営手腕で
会社を回しているという誤解をしてい
ます。実は経営手腕で会社がよくなる
コトなんてあまりありません。コンサ
ルタントをしていた人間がそんなコト
言っていいのか?と言われるかも知れ
ませんが、ものすごく地道にお客さん
からの要望を訊いたり、現場の不便な
コトを訊いたり、新たな見込み客情報
を訊いて、それぞれのニーズに答えて
行く作業を繰り返す仕事なんですよ。


頭だけで考えた企画なんて、大したコ
トありません。ちなみに上記経営手腕
について補足すると、効率化や時短や
机上の空論的な策を弄するコトを指し
ます。


では、逆に本当の意味で上手に効率化
を図る経営者とは、どんな経営者か?


現場が動きやすく、お客さんファース
トの姿勢を持った経営者です。


実にシンプルです。


現場の意見を親身になって訊き、お客
さんの要望を訊いた上で、できるコト
と出来ないコトをハッキリ伝える経営
者のコトです。もちろん、必要な連絡
を必要なタイミングで伝えるコトも忘
れないコトが条件です。


つまり、内向きに何かをエラそうに言
っているヒマがあったら、お客さんや
現場から現状が理解できるように上手
に訊くコトの出来る上司の居る会社が
発展する会社の条件です。


という訳で、わたしは効率化を相談し
て来る企業に対しては、現状のサービ
スが充分なモノであるか?顧客からの
要望を把握した上での改革であるのか?
等、かなり厳しいチェックをしてから
実行に移すようにしていました。


例えば、物流業で経営者が時短を言い
出すと何が起きるのか?仕事を出来る
人が疲弊して、仕事を出来ない人が更
に出来る人に助けてもらおうとするよ
うになります。結果として、出来る従
業員は辞めてしまい、出来ない従業員
だけが残るようになります。そのため
に、今まで間に合っていたお客さんの
必要なタイミングでお届けするコトが
難しくなり、顧客は離れて行きます。


まず、どうしたら短い時間で配達でき
るようになるのか?という点をスキル
アップさせて、お客さんの必要な時間
に届けられる状態にしてから、時短に
着手すればうまく行く可能性が高まり
ますが、ほとんどの経営者は、標語を
作るコトが仕事だと勘違いしているの
で、心のこもった仕事になりません。


いい経営者を目指す人は、現場と連絡
を取って現場が動きやすいように心を
くだき、お客さんファーストのサービ
スを心掛ければいいんです。


余計なコトを考えているヒマがあった
ら、現場で今、問題は起きていないか?
お客様の要望で訊き洩らしているコト
はないか?と自分達に何が出来るのか
を考えてください。


やりたいコトと出来るコトとは違いま
す。くれぐれも誤解のないようにお願
いします。


或るコンサル先から相談を受けたので
すが、経営陣があまりにも不勉強で、
話にならなかったので、会長に強権を
発動してもらって、現場を見るように
指導したのですが、同じような相談が
ここのところ増えているので、できる
だけ、効率化という言葉で考えない方
がいいなあ…と思い、今回の記事にし
ました。現場を掌握していない効率化
は、会社にとって害にしかなりません
よ。


家庭でも同じコトが言えます。時間を
短縮しようと考える前に、今、やるべ
きコトはこれとこれ、というふうに、
やる項目を精査すれば、時間に余裕が
出来るコトの方が多いんです。時短や
効率化を考える前に、やるべき項目の
精査の方が大切ですよ。


案外、やるべきコトとやりたいコトが
ごちゃごちゃになって大変だと勘違い
しているコトが多いモノです。ちゃん
と考えてみると、案外、優先事項を選
択していないだけ、というコトが多い
ので、悩む前に一度深呼吸して、行動
の優先順位を付けてみてはいかがでし
ょうか?