hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

ペア・ルック

ご来訪いただき、有難うございます!


スズキ「NEW SPACIA」というクル
マのCMがあります。ザ・パパが佐藤
二朗さん、ザ・ママが中越典子さん、
ザ・お姉ちゃんが芦田愛菜さん、ザ・
弟が寺田心くんというコマーシャルで
す。「ザ・かぞく ショッピング篇」
という作品で、夫婦二人がそれぞれ試
着室で、うさぎの顔が大きく描いてあ
るトレーナーを着て出て来ると、ザ・
お姉ちゃんが「ペアルック、キツイよ
ね」、ザ・弟が「ちょっとキツイです」
というコマーシャルです。




ムスメが、このCMを観て、カミさん
とわたしが同じ所で笑った、と言い出
して、「なんで?」と訊くので、


「あははは。派手なペアルックを着て
たコトがあったから…かな?」


と カミさんの顔を見ると、カミさん
も、


「若気の至りだね。ああ、恥ずかしい」


と言ってふたりで笑っていると、ムス
メが、


「どんなペアルックだったの?」


と食い下がって来ます。カミさんが、


「信じられないけど、パステルカラー
で七色の、誰が見てもこれはペアルッ
クだ!ってわかるヤツ…。それが上下
お揃いのスウェットだったの。ベース
の色がパステルのエメラルドっぽい色
でね…」


ムスメは一言、


「無いわあ…」


と言ったキリでした。


わたしとカミさんは、別の大学の証券
研究会という文化会のサークルに入っ
ていました。年に2回、春季セミナー
と秋季セミナーという関東証券研究学
生連盟が主催する論文を討論する勉強
会があります。論文の提出期限が近付
くと、大学の部室に泊まり込んで論文
を仕上げます。テーマは毎回3つあり、
1年だけ、基礎的なテーマが毎年決ま
っていて、2年からは毎回その時に応
じた新しいテーマが提示されて、論文
が使い回せないようになっています。


2年の春セミで、カミさんと知り合い
ました。付き合い始めて、秋セミでペ
アルックを着ました。


証券研究会というのは、各大学で1つ
ではなく、例えば日大なんかは法学部
証券研究会、経済学部証券研究会、商
学部証券研究会などがあり、1回のセ
ミナーで、各テーマごとに3~4つの
論文が通りますが、わたしの大学と、
カミさんの大学の証研は比較的論文は
よく通る証研でした。


当時、証券業界はかなり学生を採用し
ていましたから、連盟をサポートして
くれる企業はたくさんあり、論文は落
ちても、オブザーバーという名目で、
セミナーには参加して来る大学がほと
んどで、1回のセミナーで200人から
300人が集まります。


現地に到着して、お風呂に入り、夕食
で食堂に入って行くと、最初は少しず
つざわつきはじめ、それが波のように
広がって行き、わたしとカミさんは別
の大学の席に座っていますが、どうみ
てもペアルックな訳です。そのうち、
いろんな大学の仲のいい友人たちが、
大声で声をかけて来ます。


「おいおい、Y!その派手なスウェット
は、ペアルックっていうヤツですか?」


「いつから付き合ってんだよ?」


もう口々に声をかけて来るので、立ち
上がって掌を下にして、抑えて、とい
うようにジェスチャーをしながら、


「春セミから付き合ってるんで、よろ
しくっ!」


と真っ赤になりながら叫ぶと、うわー
ッと拍手が湧き上がりました。


唯一の毎回参加して来る女子大からは、


「女性なら、ウチが1番たくさん居る
のに…」


という声がかかりましたが、彼女の大
学から、


「Yも誰でもよかった訳じゃないでし
ょう?」


と声が掛かって、爆笑が起きました。


もう完全に、彼女を自分のモノだと言
いたくて、彼女もふたりが付き合って
いるのを言いたかったんだろうと思い
ます。


それからは、セミナーのたびに、わた
しのクルマで彼女を乗せて行くように
なりました。大っぴらにしてしまった
おかげで、とてもラクでした。


わたしがサークルの幹事長をしていた
ので、学内での金曜日のサークル代表
による幹事会が終わってからでないと
行けなくなり、学校の何かの実行委員
をしている後輩や、他の用事で遅くに
しか出発できない連中をまとめて連れ
て行くようになったので、カミさんは
ウチの大学のメンバーとも仲良くなり
ましたし、カミさんの大学とウチの大
学はとても仲良くなりました。


本当に、若気の至り、としか言いよう
のないおバカぶりですが、このコマー
シャルを観ると、つい、顔を見合わせ
て、ウプププ…と笑ってしまいます。


そして、人間て、現在と過去と未来を
同時に時の流れとして持っている存在
なんだなあ…、と思います。


もし、タイムマシーンが在るとしたら
人の脳のコトなんじゃないかな?とか
思っています。