hittyのブログ

ちょっと調子の悪いオヤジのネット起業奮戦記

器の大きな人になるより器を持たないコト!

ご来訪いただき、有難うございます!


「会社は社長の器以上には大きくなら
ない」とか、「社長の器で会社のサイ
ズは決まる」とか、経営論の本では、
かなりよく見かける内容です。


このブログの読者は、一国一城の主を
目指していらっしゃる方や、独立して
自分で仕事を始めようという方が比較
的多いので、経営者の「器」について
感じているコトを書きます。


或る若い経営者が居ました。


彼は相手に対して、自分が思っている
コトをいつも伝えています。つまり、
常に相手を評価する側に居るのです。


わたしは、ハッとしました。わたしは
どうだろうかと自分を振り返ってみま
した。そして、気が付いてしまいまし
た。評価されたいという気持ちが強い
のではないか?というコトに…。


相手から「優秀だ」という評価をされ
たいがために、自分の時間を使って、
少しでも多くの知識を得ようと頑張っ
て居る自分に気が付いてしまった訳で
す。わたしは彼に言いました。


「自分も評価されたいって思わないん
ですか?相手が自分をどう思っている
のか、気になりませんか?」


すると、彼は答えました。


「相手が自分をどう思っているのかは
自分ではコントロールできません。で
も、自分が相手をどう思っているのか
を伝えるコトで、相手は喜んでくれま
す。そして、優秀な人も力を貸してく
れます。それなら、優秀な人のどこが
優秀だと思うのかをさらに詳しく伝え
るコトで、その人の最高のパフォーマ
ンスの目撃者になれると思うんです。
力を貸してもらう側に居れば、その人
の最高の結果を一緒に喜ぶコトで、更
に上の結果を得られる可能性がありま
す。経営者は、従業員の出す結果を一
緒に喜ぶだけで、相手の力を貸しても
らえる立場だというコトですよね?だ
から、従業員は自分のモノだという所
有意識は持ったコトがありません。相
手を縛るような考え方を持つと、相手
はそこから出たいと思うようになりま
す。でも、親が子供の成功を喜ぶよう
な関係を続けている限り、経営者の元
を離れようとする従業員は少ないモノ
です。経営者になる、と決めた時に、
親の気持ちを持ち続けよう、と心に決
めたんです」


と言うのです。そして、彼は忘れずに
こう付け加えたんです。


「たった一つの質問で、僕の経営哲学
を喋らされてしまいました。hittyさん
は、本当に優秀なコンサルタントです
ね。僕のブレインになってもらえませ
んか?」


彼と出会ったのは今から20年前です。


彼の名言はいくつもありますが、その
中で彼の考え方を1番よく現わしてい
る、と思うモノが次の言葉です。


「社長の器のサイズを考えている人は
それ自体が苦痛だと思うんです。僕は
器を持ちません。だから、どんな天才
でも力を貸してくれます。自分の器を
持っている人は、相手のコトも自分の
器で考えてしまいます。でも、天才の
考えるコトは一般人ではわからないコ
トが多いんです。でも、親は子供が天
才だったら、どうしたら1番伸びるの
かを考えるだけで自分の器に収めよう
とはしない筈です。それは、まず天才
であるコトを認める所から始めるから
です。自分の器を持っている人は、ま
ず自分の器の中で理解しようとするか
ら間違うんです。だから、自分の器は
持たない方がいいと思うんです。もし
自分の器を持っているなら、その器で
受け止めようとせず、ダダ漏れに出来
る、それこそ本当に大きな器が必要に
なります。自分の器を持たない人が、
経営者には向いていると思います」


今から15年くらい前に、彼から聞いた
言葉です。


5年ほど前、彼はコンピュータのソフ
トウェア開発会社をたたみ、飲食業と
接客業の会社に事業内容を変更しまし
た。わたしは不思議に思い、彼が事業
内容を変えたと聞いて、彼の所を訪ね
ました。その住所にはキャバクラが建
っています。《あれ?》と思いながら
も訪ねてみると、彼は居ました。


「優秀なスタッフ達はみんな大学や研
究所に居場所を見つけてくれました。
僕は経営者になると決めたのが若かっ
たコトもあって、経営者であり続けよ
うと思った時、誰の話なら親のように
聞けるだろう?と考えると、1番訊き
たい声が若い女の子達の声でした。そ
れでキャバクラに衣替えしたんです」


実際、彼のキャバクラはその地域での
1番店になりました。そして、先日、
彼から電話がかかって来ました。


「hittyさん、体を壊したって聞きま
したが、本当ですか?もし、1週間に
1日でいいから会社に来ていただける
なら、あなたとの会社を作りたいので
すが…」


と 本当に1番嬉しい誘い方をしてい
ただきました。残念ながら、彼の所は
わたしの家からは遠いので、病気にな
ったばかりのわたしには不安が大きく
お断りしてしまいましたが、今なら、
間違いなくすぐに伺ったと思います。


その時に彼から聞いた言葉は、やはり
彼らしい言葉でした。


「親のように相手の言葉を聞ける関係
になる相手は、その人と一緒に居たい
と思う相手であるコトが1番大切です。
そうでないと、お客の呼べるキャバ嬢
に声を掛けてスカウトしたり、自分の
スタイルを変えるコトをしてしまうん
です。最初は尊敬できる人を集めた会
社を作って、次に娘のような女性を集
めて会社を作りました。次は今まで力
を貸してくれた人々に恩返しを出来る
会社を作りたいと思っています。だか
らもし、その気になったらいつでもい
いので連絡をください。待っています」


器を考えるコトより、器を持たずに、
どんな人とも親子のような関係を築け
る人が経営者には最適だと思うのです。


もし、すでに自分の器を自覚している
人は、ダダ漏れに出来る大きな器が必
要になります。彼にそのコトを確認す
ると、


「そんなに生意気なコトを言っていま
したか?好きな人と一緒に仕事をすれ
ば自然と器なんかできなくなりますよ
ね?だって、一緒に居るコトが1番嬉
しいんだから…。僕はパートナーには
恵まれて来ました。だから、そんなコ
トを言ったんでしょうが、忘れてくだ
さい。恥ずかし過ぎる~…」


そう言っていました。また、彼に連絡
してみようかなあ。彼と仕事をしたい
人はたくさん居るから、もう新しい仕
事を始めているでしょうが、何だか顔
が見たくなったなあ…。


何か進展があったらお知らせします。